僕は青い鳥
僕は小さなとある青い鳥。地面にたまった小さな水たまりにくちばしをつついていると、彼女はひょこりと地面に降り立った。名前なんかない。僕にも名前はあるのかな、だとしても知らないさ。誰かが付けた罠みたいなものだから。
彼女の羽は尾だけがわずかに夜の空に似ている。他は人間の街で屯している小鳥と同じ色で茶色だ。少しだけ夕日色に浸ったような色をしているけれど。
不思議は時に怖いものに変わる。僕たちは子供を産むときに木の中に暮らすのだけれど、時々大きく気が揺れて、人の頭が見える。僕たちとは違う顔。そんなのは怖くない。僕たちにとっては人間も他の生き物も同じように違うのだから。
不思議だと言ったのは人間という存在だ。人間は僕らを珍しがって見る。どうして何がそんなにも不思議になるのか僕にはわかりゃしない。
違うのは朝の空と夕の空と夜の空の色。変わる空気の温度に、木の葉の鮮やかな代わり映え。
怖いのは人間が僕らに何かを期待して手を伸ばしてくること。自らに期待しないで僕らを得ようと一生懸命になること。
僕は青い鳥。僕の将来はきっとよくなるはずだ。
このブログへのコメントは muragonにログインするか、
SNSアカウントを使用してください。